こんにちは、グロースファミリーハウス営業開発チームの今田です。
今回は、神戸市が導入を検討している『 タワーマンションの空室税(空き家対策課税)』について、解説します。
いわゆる、「 タワマン空室税 」は、不動産投資の在り方や地域活性化に大きく関わるテーマです。
不動産業者としても、早めの情報収集と対応策の提案が、顧客との信頼構築に直結すると考えます。
空室税とは、一定期間居住実態のない高額な住宅に対して課される税金のこと。
近年、東京や大阪など都市部ではタワーマンションを「 資産 」として保有し、実際には居住していないケースが増加しています。
これにより地域コミュニティが弱体化し、空室率の上昇や周辺環境への悪影響が懸念されてきました。
神戸市も例外ではなく、特に中央区や灘区の一部地域で空室率の高いタワーマンションが目立つようになっています。
このことから、この空室税の導入を検討しています。
対象物件となるのは、一定規模以上のタワーマンション。
築年数や価格帯の基準が設定されるようです。
そして、対象者は、所有者でありながら、一定期間以上居住していない個人と法人。
課税は、固定資産税とは別に、追加の税金を課す方向だそうです。
これにより、「 投資目的での長期空室保持 」を抑制し、地域活性化、空室対策につなげたいという狙いがあるようです。
タワーマンションを保有、運用しているオーナー。
また、仲介、管理を行っている不動産業者にとって、今後の空室管理や運用戦略の見直しが求められる可能性があります。
神戸市は、2020年から三宮や元町などの中心部で、条例によって制限をかけています。
建物の容積率のうち住居系用途の部分に上限を設定し、事実上高層タワーマンションの建設ができないようにしています。
神戸市でも全国的な傾向と同じく、マンションの価格は上昇し続けていました。
しかし、それだけでなく、最近の調査で住民登録のない部屋がかなりの割合で存在することが明らかとなりました。
確かに、生活に便利な市街地の中心部にタワマンが建てば人口は増えますので、この神戸市の方針はその真逆を行っているといえます。
神戸市が真逆の方針を打ち出した理由には、この街の成り立ちを考えると理解はできます。
東京をはじめ、大阪、名古屋、京都、福岡といった他の大都市と比較して、神戸の歴史はそれほど長くはありません。
神戸は、1868年の明治の開港に始まり、国際港湾である神戸港を中心に製造業や卸売業などが集積。
その後、第二次世界大戦前後の急成長を経て、日本を代表する都市となりました。
それゆえ、瀬戸内海と六甲山に挟まれた東西に長い市街地が広がっています。
そして、その北や西につくられた住宅団地、それらの合間を縫うように森林や里山が広がるという特色を持ちます。
都市部と郊外の住宅地、そして緑豊かな自然の3つが、コンパクトなエリアに集まっているのが魅力ともいえます。
宮崎辰雄市長によるこの都市経営手法は、「 株式会社神戸市 」と称され全国の市町村から自治体経営の手本とされほどです。
であれば、この恵まれたバランスを崩しかねない、中心部でのタワマン建設を避けたいと考えるのは当然の判断になります。
特に三宮や元町エリアは、買い物や食事、アートシーンといった「 非日常 」を楽しむ。
日々の仕事をするオフィスエリアとしての利用が優先されるべきだという考え。
有識者会議でまとめられた最終報告書があります。
それによると、神戸市内のタワマンを調査したところ、低層階と高層階の居住者の平均年齢はいずれも約48歳と差はなかったそうです。
ところが、住民1人当たりの平均年収(所得から換算)でみると、低層の1階から9階では448万円。
だが、40階以上では1032万円と2.3倍となり、大きな差があることが明らかになったそうです。
昔から言われているのは、区分所有者が居住せずに賃貸する部屋が増えるとマンションの管理が疎かになりがちだということ。
また、居住実体がない空き部屋の存在は、別の問題をはらんでいます。
というのも、マンション住戸が価格上昇を前提に転売される投機の対象になっている可能性があるからです。
確かに、転売目的の法人や外国人がタワマンを保有していると指摘する報道も目立ってきました。
こうなると、売却益が狙いなので、賃料収入を得るために誰かに貸す必要すらない。
しかも投機の対象となることで、利用価値を大きく上回る価格で取り引きされます。
すると、実際に住みたいと思っている人が購入できなくなり、社会的厚生の棄損にもつながります。
神戸市のタワマン税導入は、都市部の不動産課税を見直す流れの一環とも言えます。
マンションの転売を仲介する事業者からは、逆に市場を歪めるのではないかと反対意見も出されています。
「 これからタワーマンションを購入したい 」、「 現在所有している 」という方。
固定資産税の変化を踏まえて資産計画の見直しが必要になるかもしれません。
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