こんにちは！
今日は、今、不動産業界で話題になっているドラマの話。
タイトルは、『 正直不動産 』。
元々は、２年ほど前に同じ不動産業界の友人から勧められた漫画で知りました。
「 正直 」とタイトルにあるものの、内容は、不動産業界の闇を描いた作品。
不動産業界の常識やカラクリが、とてもわかりやすい漫画です。
『 東洋経済オンライン 』などでも、話題の漫画として紹介されていました。
主人公の永瀬財地は、タワーマンションに住むことに究極のステータスを感じる千三つ屋を地で行くタイプの不動産会社の営業マン。
ちなみに「 千三つ屋 」とは、昔の不動産屋のことを呼ぶ蔑称。
他にも年配の方だと、「 終戦屋 」などと呼ぶこともありました。
もともと、「 １０００に３つしか本当のことを言わない 」ということで、嘘つき、ホラ吹きのことを言います。
若い人はご存じないかもしれませんが、せんだみつおの芸名はここからきているそうです。
そこから、不動産業界においては、２つの意味合いがあると言われています。
ひとつは、不動産の仕事は１０００の案件があったとしても、その内の３つしか話がまとまらない。
つまり、成約率が低く効率の悪い職業という意味。
もうひとつは、最初に巷で言われている通りの意味で、不動産屋は１０００に３つしか真実を話さないという意味。
空気を吐くようにウソをつく職業だということ。
なので、一般的には千三つ屋と呼ばれる不動産屋は嘘つき、ホラ吹きという意味で思われています。
今回、その不動産業界の闇を描いた漫画が、ＮＨＫでドラマ化。
しかも、原作者との関係性もあって、「 山Ｐ 」こと山下智久が主役の永瀬を演じます。
漫画を読んでいなくても、楽しめる内容になっているのではないでしょうか。
不動産業界に根付く悪習。
ドラマなので面白おかしく誇張した演出で、さすがにコンプライアンスの厳しい今では大問題です。
「 こんなこと、本当にあるの？」
と驚くようなこともあると思います。
ただ、不動産業界にいる私からすると、かなりリアルに描かれています。
ちょうど私が新人の頃によく経験した事例を現在に合わせて創られています。
大げさに描かれているとはいえ、
「実際にあったよな 」
「こういう不動産営業マンおったよな 」
っと、題材にされてる悪行は同業者として恥ずかしながら、どれもこれも事実で知ってることばかりです。
でも題材としては、
「 再建築不可の告知 」、「 欠陥住宅の瑕疵 」、「 リバースモーゲージの落とし穴 」、「 大家の悪行 」など・・・。
不動産業以外の方にはすごく勉強になるでしょう。
逆に、我々、不動産業界に携わる者は、襟を正すための教材になり得る作品ともいえます。
当然ですが、全ての会社が悪徳不動産なわけではありません。
なので、それを見分けるためにもこのドラマは、役に立つかもしれません。
全体的に堅苦しくならないよう、ある出来事から主人公が嘘を付けなくなるというコメディータッチがまた絶妙。
登場人物も、一癖も二癖もあるキャラクターばかりで魅力的。
「 こういう新人営業いるよね 」
「 こういう上司おったなぁ 」
と、どこか懐かしい感じ。
特に市原隼人演じる桐山貴久など、どこの不動産屋にも一人はいたキャラクター。
よく当時の上司に言われた言葉で、
「 我々はボランティアやないんやで！ 」。
もちろん、商売するのに理想論ばかり語っていられないのも事実です。
しかし、この主人公の永瀬のように、不動産業界のみんなが正直に真っ向勝負すべきだと心底思います。
不動産業界は、ひと昔前に比べかなりクリーンになっています。
それは不動産業界全体の自助努力であったり、法令の厳格化であったり、情報化社会の恩恵で消費者側の意識向上など・・・。
ただ、一部の旧態依然とした古い体質の会社はまだ相変わらず存在するのも事実です。
不動産業界でもポータルサイトを使わない動きが少しずつ見えてきています。
今までは、お客様の感覚は、まず「 良い物件ありき 」みたいな感じでした。
今後は、良い物件探しよりも、「 正直な不動産 」、そして「 正直な営業担当 」探しが求められています。
最後に、登坂不動産の社長の言葉を紹介しておきます。
「 俺たちは、物件をただ右から左に仲介してんじゃねぇんだ。
客が新たな人生の一歩を踏み出す手伝いをするのが、不動産屋の仕事だ。 」
ドラマは、毎週火曜日に放送です。
不動産業界に興味ある人はまず、観るべきだと思います。
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